9.20「独立機体」

あらすじ

「……可能です。――母」砂川、お母さんになります。お待たせしましたって感じの9話20節。

砂川を読む

Day

11/12

Time

6:00

Stage

運動場 倉庫

【汐】

「鞠ー……!! 鞠ぃーー……!!!」

【鞠】

「………………ッ……ゥ」

【汐】

「鞠ぃー!! フォルダ消されたくないので全力のノックに抑えますけど、もう朝ですよーーー!!!」

【鞠】

「ん……んん……――?」

【汐】

「しかも、登校日ですよーー!! 普通にもう24時間経っちゃってますよーーー!!! 皆、心配してますよーーー!!!」

【鞠】

「…………ッ――ヤバ!!」

 何か、いつの間にか寝ちゃってた!!

【鞠】

「まだ完成してな――」

愛する人形2

【人形】

「……………………」

【鞠】

「――――」

 ……あれ。

 眼が、合った。

【鞠】

「…………」

【ババ様】

「……ほーう……」

【鞠】

「……ば、ババ様。コレって――」

【ババ様】

「ああ――」

vsother

【行】

「何してるんですか、汐」

【汐】

「ああ、行ちゃん! 鞠がまだ出てこないんですよー。祝日も過ぎて登校日なのに……」

【行】

「……なら取りあえずこの扉、蹴破ればよいではないですか。普段の貴方ならそうするでしょうに」

【汐】

「いやその通りなんですけどソレやっちゃうと私の大切な鞠盗撮フォルダが朧に消されてしまうので――」

【行】

「ならあとで私が消しておきますよ」

 ばんっ!

【行】

「お嬢、生きてますか!!」

【汐】

行ちゃん酷いぃぃいいい(泣)! 鞠ぃー!!」

vsmari

 ばんっ!

【鞠】

「…………」

 後ろで、強い暴力の音が聞こえた。

【行】

「お嬢、生きてますか!!」

 ……現場に、他の人が入ってきてしまった。

 だけど――私は、目をそらせずにいた。

愛する人形2

【鞠】

「どう、ですか。ババ様の目からして」

【ババ様】

「中身は分からんが……取りあえず、成功みたいじゃな」

 成功。

 すなわち、もうこの人形はただの人形ではない。

【人形】

「……………………」

【鞠】

「……動けますか、貴方」

 人形に、話し掛ける。

【人形】

「……可能です。――母」

 返事が返ってくる。

 これは、ただの人形ではなくなった。造られた狭隘な“生命”。

 独立機体――

【汐】

「…………はは?」

【鞠】

「ん……?」

【汐】

「はは……母? え――母??」

 …………あ。

 何か嫌な予感――

【汐】

「――母ぁあああああああああああああああああああ!?!?!?

 ――高速で的中。ああ、頭が痛い。休む暇無しですか? いや寝落ちしたけどさ。

【汐】

「つまり――え、この、子は――鞠の娘!?」

【鞠】

違うにッ、決まってるでしょッッ!!?

 フラフラしながら立ち上がった。

 が、すぐに自立を諦めざるを得ないメイドの本気揺さぶり攻撃。

【汐】

「ま、ままままままま鞠ぃいいいいいいいい誰の子ですかあぁああああああああああああ!?!?」

【鞠】

「う、ちょ――」

【ババ様】

ぎゃああぁあああああ揺れるぅうううううう……!!?

【汐】

井澤くんですかあぁあああああああああああ!?!?

【行】

「それはとんでもないニュースになりますね、地下社会全体で」

 んなわけあるかーーー!!

【鞠】

「ち、ちが、ちが――」

【汐】

お姉ちゃんは、お姉ちゃんはそんな隠し子、認めた覚えはありませんよおおぉおおおおおおおおおおおおおお!?!?

【人形】

「母。大丈夫ですか」

 母……云うなあぁあああああああああああああああああ――!!

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