7.17「敵の名はシナ」

あらすじ

「それに土俵が同じだし……界隈じゃ有名なんだよ」砂川さん、最強の人とお電話。今更ですが砂川さんはチートキャラですな7話17節。

砂川を読む

Time

10:00

Stage

砂川家 鞠の部屋

【鞠】

「……はぁ……」

【ババ様】

「どしたのじゃ、やけに声に乗った溜息なんて吐いて」

 いつもと違う息を吐きたくもなる。

 パパ……本気か。

【鞠】

「何でこうなる……」

【ババ様】

「和佳のことかの? ……思ったんじゃが、鞠」

【鞠】

「何ですか」

【ババ様】

「鞠も、そうするつもりだったんじゃないのかの」

【鞠】

「……………………」

 「何で私がそんな提案をしなきゃいけない」。

 と、云いたかったけど……云いきれない、私がいて。

【鞠】

「……私は、今日の私がよく分からない……」

【ババ様】

「哲学っぽいの」

【鞠】

「ただ私が混乱してるだけだと思いますけど」

 この家に連れてきた時点で……何処か、こうなる予感はしてたかもしれない。

 何にせよ、家主がそうハッキリした口調で決めたのだ。酒を飲んでるわけでもなく、熟考した上での決断。なら……私もメイドも、口出しはできまい。

 その辺はパパに任せる。私は……私のやるべきことをやる。

【鞠】

「……時間は、ちょっと遅めか」

【ババ様】

「電話か」

【鞠】

「情報収集です」

 私の持つ、最強の手段で以て。

 ……………………。

【???】

「― もしもし、井澤ですけど ―」

 繋がった。

 ただ何故か固定電話ではなく先輩のアルスに繋げた筈なのに開幕から女性の声が届いた。あの子……ではなさそう。

【鞠】

「……謙一さんは、いらっしゃいますか……?」

 いるはずなんだけどね。携帯物なんだからそこに携帯主がいるはずなんだけどね。

【???】

「― 今ちょっと手が離せなくて……代わりといっちゃなんだけど、私と駄弁ってる、謎の女 ―」

【鞠】

「いや、割と重大な用なんですけど……」

 あと謎の女って何。私としては貴方の方が謎なんだけど。

【???】

「― って、ヤベ、あっ何すんだハゲ、密着してくんなハゲるだろうが ―」

【謙一】

「― ハゲてねえ。ならさっさと俺のプライバシーと共にソレ返せマフラー ―」

 手が離せなかったらしい携帯主が帰ってきたようだ。

 ……多分トイレにでも行ってたんだろう。そういうことにしとこう。

【謙一】

「― はぁ……待たせたな砂川 ―」

【鞠】

「いえ。夜分遅くにすみません先輩。今ってそっち、修学旅行ですよね……重ね重ねすみません」

【謙一】

「― いや特に問題は無い。にしても……これまたとんでもないことになってんな。流石俺の弟子 ―」

 弟子になった覚えはないんだけど。

【謙一】

「― メールに添付されてたやつだが……アレが今回のお前の敵か ―」

【鞠】

「彼女が攻撃されるよう仕向けた、ある意味の首謀者は既に監獄行き決定です。ただ……あれだけ綺麗な仕事をした実行犯は、まだ謎に包まれています」

【謙一】

「― だろうな。そういう相手だ ―」

 ……その云い回し。

【鞠】

「先輩、もしかしてもう何か情報を?」

【謙一】

「― 専売特許みたいなところあるからな ―」

 はっっや。

【謙一】

「― それに土俵が同じだし……界隈じゃ有名なんだよ ―」

【鞠】

「……それは、誰なんですか。一体何者なんですか」

 こうして……。

 私は、やっと、といっても早期ではあるんだろうけど、敵の名を知った。

【謙一】

「― シナ・ファミリア――それが今回、お前に脅威をもたらす敵の総称だ ―」

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