6.19「湯」

あらすじ

「私、鞠さんのことを、知らないといけない気がするんです……」生徒会諸君、裸の付き合いな6話19節。ここで挿絵かまさないでどうすんだって感じですが、お察し下さい。

砂川を読む

Time

20:00

Stage

風呂屋 男湯

男湯

【石山】

「信長ー、背中洗いっこしようぜー」

【信長】

「仲良くする気満々だな……まあ、構わないが……」

【深幸】

「随分懐かれてんなーうちの野球部主将はー」

【信長】

「主将じゃない。なるつもりもない」

【笑星】

「ていうかソレ、いいなー。茅園先輩、俺たちも洗いっこしよー」

【深幸】

「マジか」

     

【男子】

「あの松井信長と石山博樹ツーショットが銭湯で拝めるなんてなー……俺ら凄いもん見てるぞ、十何年後証言できるよう覚えとこ」

【男子】

「今年度最強のピッチャーとバッターだもんなぁ……」

【男子】

「んな2人のあんなコラボレーション目の前で見てると、いる世界が違うってこと忘れそうだわ」

【男子】

「しっかし、紫上学園の生徒会どいつもこいつもイケメン揃いじゃね……?」

【男子】

「まあ、紫上会って可成り能力重視なとこあるっぽいしなぁ。天才ばっかり揃うとよ」

【男子】

「そこんところ、どうなんすかね玖珂先輩?」

【四粹】

「ど、どう……というのは?」

【男子】

「やっぱり紫上会って、俺らフツーの生徒会より、モテるんでしょ?」

【男子】

「別にモテる為だけに入ってるわけじゃないが、こうビジュアルとオーラの差を見せつけられると何か悲しくなってくる」

【四粹】

「……手前が見てきた世代の紫上会に限っての印象ですが、確かに紫上会は紫上学園のシンボルであり、アイドルのような位置づけをしている人も少なくないようです。前年度の会長や、松井さんには可成り熱狂的なファンもいらっしゃいますね」

【男子】

「玖珂先輩に至っては学校を越えてファンもいらっしゃいますもんねー」

【四粹】

「は、はは……どうして手前のことをそこまで信頼してくださるのか、甚だ疑問なところではあるのですが……」

【男子】

「去年に引き続いて先輩は自己過小評価に磨きかけてますねー。まぁそういう謙虚で誰にも優しく接せられる内外のイケメンぶり見てると、松井らよりもいる世界違い過ぎねって思います」

【男子】

「背中、流しましょうか先輩。ていうか流させてください。うちの女子に自慢したいんで」

【男子】

「お前ただでさえ傷心旅行にシフトしそうなのに、殺されるぞ……ッ!」

【四粹】

「ははは……」

     

Stage

風呂屋 女湯

【女子】

「壁が……思いの外、壁が薄いわこの銭湯……!」

【女子】

「聞こえる……ッ! 流石に覗き見は淑女として、はしたないけれど、会話を聞くぐらいなら……ッ」

【藍澤】

「いや、皆さんそれも充分淑女として最高にみっともないと思いますから、見てるこちらも恥ずかしいのでやめて――」

【井伊】

「……! 藍澤先輩、背中! 背中洗い合ってます、魔王信長とバ会長が!!」

【藍澤】

「ッ何だと!? ま……また……またぽっと出の魔王に……アレは英くんのモノだというのに、ぶくぶくぶく――!」

【苺花】

「……4割ぐらいの人達が、盗聴しようと頑張ってる……そういうのって、やるんだったら普通男性の人がやるもんじゃないかな……」

【涙慧】

「もしお兄さんが来てたなら、ルイもやるかも……」

【苺花】

「やりそうだね……」

【亜弥】

「その時は私もご一緒します――!」

【苺花】

「やり、そうだね……」

女湯

【藍澤】

「ぶくぶくぶくぶく……アイムホーム……(`ε´)」

【琴竪】

「ウェルカムバック」

【涙慧】

「プンスカしてる人が来た」

【苺花】

「ど、どうしたんですか……?」

【藍澤】

「いや、失敬、何でもありません。しかし多少ながら、紫上学園陣に嫉妬していただけです……はぁ……」

【苺花】

「嫉妬――?」

【藍澤】

「美味しいところを、全部掻っ攫ってしまいますから。甲子園では、うちの会長が取るだろうと云われていたMVPを松井さんに奪われ、先ほども……我々の尻拭いをした上で、井澤さん達をこの合宿に溶け込ませました」

【亜弥】

「……やっぱり、そうでしたよね」

【涙慧】

「あの人が、話し掛けてきてくれなかったら……今頃、まだルイたちは、孤立してた……」

【苺花】

「優しい、人だったね……ってあれ、そういえば紫上学園の会長さん、姿が見えないですね……」

【亜弥】

「居ないと、思います。さっきから探してるんですけど……それに、稜泉学園の副会長さんも」

【藍澤】

「何か用事があるのかもしれませんね、紫上会の会長は確か、非常に忙しい身ですから」

【琴竪】

タマ副会長はただ単に人前で肌を見せるのを嫌うゆえ

【亜弥】

「……あの、紫上会って、有名なんですか? 私……というか真理学園、多分初めて外部校とこんな密接な附き合いをするイベントに参加したもので……あまり他の学園のことを、知らずに来ちゃってるんですけど」

【藍澤】

「そうなのですね。まあ……中央大陸では可成り有名です。恐らく、世界で最も多忙な生徒会……それが紫上会ですから」

【苺花】

「そ……そんなに……」

【琴竪】

「真理学園の生徒会は、どんな感じなりか? それも、明日聴けることではあるけども。奇異を期待するぜー」

【涙慧】

「(アンタの口調ほど奇異じゃない)」

【亜弥】

「なかなか説明が難しいんですけど……私たちは逆に、暇なんだと思います。学園長さんと、とある特別なクラスが殆ど何もかもを決めちゃうので、私たちには仕事が無くて」

【琴竪】

「……すなわち、生徒会の存在意義は、無い?」

【亜弥】

「仰る通りです」

【涙慧】

「こっちだって……唯一無二の生徒会」

【苺花】

「不名誉だと思うけどね……」

【亜弥】

「なので、私は生徒会がどう在るべきなのか分からなくて……それで、色々と調べているうちに、このイベントに辿り着いたんです。ここで沢山の生徒会を知って、少しでも真理学園の皆さんにとって有益な活動ができるように」

【涙慧】

「でも、よく参加申請が拒否られなかった……」

【苺花】

「そこは、本当に不思議だよね」

【亜弥】

「はい。流石兄さんです」

【涙慧&苺花】

「「あ……納得……」」

【藍澤】

「兄さん……?」

【亜弥】

「その、私の兄が何と云うか、とても人脈のある人でして。私の為に、尽力してくれたんです。兄さん、大好きです」

【苺花】

「亜弥ちゃん、抑えて抑えて!」

【亜弥】

「ハッ」

【藍澤】

「……えっと、その人脈で何とかOKを貰った、ということなんですね。それは、確かに凄いですね」

【涙慧】

「お兄さん、色んな人と仲良い……怖い人ともいっぱい……」

【苺花】

「仲良いのかは分からないけどね……」

【亜弥】

「……………………」

【藍澤】

「……? 井澤さん、どうかされたんですか?」

【亜弥】

「……鞠さんのことは、私に黙ってました……それに、電話のことも……」

【藍澤】

「はい?」

【涙慧&苺花】

「「??」」

【亜弥】

「……私、鞠さんのことを、知らないといけない気がするんです……(ごごごごご)」

【涙慧】

「亜弥……黒いオーラ、素敵……」

【苺花】

「あ、亜弥ちゃん? 何か……ろくでもないこと、考えてないかな……?」

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