3.22「笑星ラスト」

あらすじ

「そういうわけで、今日もよろしくねー鞠会長!」砂川さん、5月に突入。22節にて3話は終了しますが、4話はもっっと長いです。

砂川を読む

vsmari

Day

5/1

Time

8:15

Stage

紫上学園 正門

【鞠】

「……ねむ……」

 仕事が全然減らない。本来発足時に片付けておくべきスタート作業がやっと終わったって感じだ。ていうか前年度の引き継ぎ作業がガバガバ過ぎる。もっと効率的にまとめられなかったのだろうか。

 流石に5人で役割分担すべきものを1人で全部片付けようとしているから、単純計算で5倍の時間をもってかれるのは仕方無いことだ。1人でやる分の作業効率化リファクタリングで4倍、前年度のガバガバの作業効率化で3.5倍……といったところだろうか。

 4月は年度全体の見通しを立てる、めちゃ重要な仕事が多い。誓約書を提出した団体の暫定年間予定の確認に至っては私が主導できないうえ、クーデター参加組も結構多かったそうだから、どうしようもなく滞っていた。

 5月に入ると、これはこれで重要な仕事が少なくないので、また授業サボって泊まり込みの日が入るかもしれない。準備しとこ。

【鞠】

「だけど中間試験が確かあるっけ……それで点数がアレだったら、莫迦にされる……」

 無論、満点を狙っていかないと……しかし授業出ないと多少傾向は掴めない気もする。こればかりは過去問だけ解いてればどうにかなるってものじゃ……。

 寝れない日が続くかもしれない……何かアロマとか、ストレス解消のアイテムが必要か――

【???】

会ちょ~~~~!!!

 ――あとストレス要素を近付けないアイデアとか。

【笑星】

「鞠会長、おはーーっす!(←ダイブ)」

【鞠】

「セクハラで裁きますよ(←回避)」

【笑星】

「うわっと――よいしょ!(←着地) 大丈夫、俺が紫上会に居られなくなるとクーデターの余地ができちゃうから、鞠会長は俺の評価を墜落させたりしない!!」

 コイツ、無駄に成長してやがる。

 あと慣れ慣れしさまでアップグレードしてやがる。

【邊見】

「えっちゃん~待ってよー」

【笑星】

「邊見、走らなくていいよ! ゆっくりゆっくり!」

【邊見】

「じゃあえっちゃんも走らないでよ~……あ、会長先輩おはようございます~」

【鞠】

「退院したんですね」

【邊見】

「大変なご迷惑を、お掛けしました~……」

 寧ろ迷惑かけられっぱなしだったのはソッチだと思う。

 結果的に私も彼を利用してクーデター勢を瓦解させたところがあるので、正直罪悪感が芽生えかけている。

 敵の中では一番敵じゃない……からといって、そもそも敵の中にランクを設ける必要もないわけであって、私にそんな余裕はないわけであって。

 そんなわけで、私は彼とも仲良くなるつもりはないのだけど、相変わらず私に話しかけてくるようだ。ほんと苦手。

【笑星】

「ねえね、鞠会長、今度一緒に漫画部行こうよ! きっと会長を爆笑させる漫画が眠ってるよあそこには……!」

【鞠】

「男子ですらない私に来られてもアッチにメリットが無いです。ていうかガチで行きたくないです」

【笑星】

「えーー……食わず嫌いは忌むべし、っていうじゃん」

【鞠】

「毒と分かっていて喰らう莫迦になるつもりもありません。貴方一人で勝手に行けばいいじゃないですか。いっそ紫上会室に来なくても全然問題ありませんから」

【笑星】

「いやいやいや、俺も紫上会だから。皆を参考にして、俺もっと凄くなるんだー! 来年は俺が会長になるんだから! 邊見でもいいけど!」

【邊見】

「えっちゃんが会長でいいよ~」

【鞠】

「……………………」

 コイツが会長とか、この学園終わるんじゃないか。いや、そうならない為にこの親友がいるから大丈夫なのか……? まあ来年のことなんて私知らないから別に何でもいいけど。

【笑星】

「そういうわけで、今日もよろしくねー鞠会長!」

【鞠】

「……どうでもいいですが、何で私を名前呼びしてるんですか」

【笑星】

「もっと仲良くなりたい時って、ファーストネームを意識するんだって母ちゃん云ってた」

【鞠】

「……………………(←頭痛)」

【邊見】

「……おや~~?」

 何となく、悟る。

 この人がこういう奴である限り、一度気に入られてしまった私から引き離すアイデアは現れないと――

【邊見】

「……そっかぁ~……えっちゃん、そうきたかー。ふふっそっかぁ~……」

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