1.00「プロローグ」

あらすじ

「――大っ嫌い……」ちょっと陰湿な女の子・砂川さんの物語がいよいよ始まります。全10話と聞けば短い気もしますが、一応スピンオフですしね。これから宜しくお願いしますな1話0節。

砂川を読む

* * * * * *

 ――酷い人だった。

【???】

「今……今、ね……? お姉ちゃんは、ね……?」

 あんなにお姉さんぶりたがってた癖に。

 折角、妹になってあげた私のことを、まるでもう忘れたかのように。

【???】

「幸せ……なんだぁ――」

 そんなことを、云った。

 私のことを、何にも考えないで。

 それどころか、目の前の、貴方が一番大切な人さえも、傷付けて。

 あの人は、勝手に。

 幸せになってしまったのだ。

* * * * * *

Stage

???

【鞠】

「……私ね、お姉ちゃん。転校、するんだ」

 もう何度目か分からない、訪問。

 緑に囲まれた木々を越え、登った先に現れる小さな小さな丘。丁度良く木々が開かれていて、其処からならこの自然香る町を、私たちの学園を見下せる。

 ……気付けば、私は此処でいつも、この……寄り掛かるには大きさが足りない石に、静かに抱き寄っていた。

 だけど、その行為も、もしかしたらこれが最後かもしれない。

【鞠】

「凄いでしょ? 夜逃げとかはあるかもしれないけど、正式に彼処から別の所に移るだなんて……きっと私が初だよ」

 時に甘く、時に白く染まったこの町は、危険だった。

 だけどこの町には、あの人が居た。

 貴方が居た。

 だけど、私は……この町を出て行く。

 逃げる、かのように――

【鞠】

「…………」

 不思議で、ぽかぽかしていて……夢のような日々。今となっては本当に、夢だったのかもしれない、過去。もう絶対に訪れることのない記憶。

【鞠】

「……お姉ちゃん――」

 それは現実の、残された私に何を見せているのだろうか。

【鞠】

「――大っ嫌い……」

 私は、これから先、何を見ていけばいいのだろうか。

     
     
     
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